[平衡性]チェック ・・・ 閉眼片足立ちテスト
 平衡性は、転倒予防の観点から体力測定項目として取り入れられています。働いている方々対象では、仕事上でのケガや事故防止といった労働安全衛生の観点において重要体力要素であり、また、高齢者では転倒予防などの介護予防の観点から測定項目に用いられています。
閉眼片足立ちと開眼片足立ちがあり、
■働ている人(20歳〜64歳)対象 ...目を閉じて行う「閉眼片足立ち」
■一般高齢者(65歳以上)対象 ... 目を開けて行う「開眼片足立ち」
が測定対象となります。
 例えば綱渡りや体操の平均台など、最初は上手くできなくても、練習すればバランスを崩さず長くできるようになるということがトレーニング効果というわけですが、平衡性には、主に小脳、耳の奥の三半規管の機能が関わっており、平衡性のトレーニングはある種、「脳トレ」ともいえるわけです。ですから乗り物酔いしやすい人やストレスで耳鳴りがする(メニエール症候群)人などは総じて低い傾向があります。
 また、重心の動揺を吸収できる体(関節や筋)の柔軟性やブレに耐えられる大腰筋などの体幹支持筋の筋力なども関わっており、ストレッチや筋トレも効果的です。さらに、片足立ちなどのトレーニングをすることで、より少ない筋緊張でバランスがとれるようになる効果があることも解っています。
 それでは、早速簡単セルフチェック!ご自身の「平衡性」を測定してみましょう。

◆「平衡性(バランス能力)」のチェック方法◆

■「閉眼片足立ち」...(働ている人、64歳以下対象)


  • 両手を腰にあて、両目をつぶり、左右どちらでも立ちやすい側の足で片足立ちになります。
  • 上げた足は軸足には触れないようにして、高さとか位置は自由です。
  • 軸足が少しでもずれたり、上げた足が床に着いた時点で終了。その時間を測定します。
  • 2回行い、長いほうの時間を記録します(軸足は変えても変えなくても結構です)

※転ばないように細心の注意で行って下さい。
「閉眼片足立ち」評価表
(出典: 中央労働災害防止協会: 安全と健康2012−63−8 60-63 より引用)
※この運動機能評価表は企業等における働く人を対象とした評価基準となります。
■中央労働災害防止協会:運動機能検査値の新5段階評価(jisha.or.jp)

■「開眼片足立ち」...(一般高齢者、65歳以上対象)


  • 素足で、両手を腰に当て、どちらの足が立ちやすいかを確かめるため、片足立ちを左右について行う。
  • 支持脚が決まったら、両手を腰に当て、片足立ちの姿勢をとる(片足を前方に挙げる)。
  • 姿勢は、支持脚の膝を伸ばし、もう一方の足を前方に挙げ、挙げた足は支持脚に触れないこと。
  • 計測時間は、挙げた足が支持脚や床に触れたり、支持脚の位置がずれたり、腰に当てた両手もしくは片手が腰から離れたりした時までとし、片足立ちの持続時間を計測し、最長120秒で打ち切り、記録は秒単位とし秒未満は切り捨てる。
  • 2回実施してよい方の記録をとる。

【実施上の注意点】
  • 転倒しないよう細心の注意のもとに、滑らない床で実施する。
  • 被測定者の周りには,物を置かない。段差や傾斜がある場所も避ける。
  • 測定者は、被測定者がバランスを崩したとき、即座に支えられるような準備をしておく、または転倒しそうになったら手で支えられるよう壁際などで実施する。

「開眼片足立ち」評価表
(出典 : 文部科学省 : 新体力テスト より引用)
※この体力評価表は、高齢者を含む一般の人を対象とした評価基準となります。