[柔軟性]チェック ・・・ 長座位体前屈テスト
 ストレッチングの習慣や、全く運動習慣を持たない人のほとんどは、身体は縮んで固まっています。例えるなら、身体は狭い箱に閉じ込められているかのような緊張状態であり、体の感受性も低下します。
 緊張して固まった身体は、代謝や血行が悪く、低体温となり、免疫活性や酵素活性、基礎代謝などあらゆる身体機能が低下することも知られています。また、代表的不定愁訴である、腰痛・肩こりなどの原因にもなります。ストレッチをこまめに習慣的に行い、身体を柔軟に保つという事は健康の維持増進に不可欠、基本だということができます。

◆「柔軟性」チェックの方法◆

1. 1人で測定する方法の評価表(一般、全年齢対象での目安)

(1) 肩関節の柔軟性チェック

「背中手つなぎ」
やり方は簡単。まず最初、右腕を上から、左腕を下から背中に回し、両腕で指を組めるかどうかをチェック!
次に左右上下を変えて行ってみましょう。いかがですか?普段動かしていない非利き腕が上の方がやはり固まっているはずです。

【判定評価(5段階)】
5(大変良い)...両手で指が組める。
4(まあまあ良い)...指先が触れる
3(標準)...あと5cm以内
2(やや低い)...あと10cm以内
1(非常に低い)...両手間10cm超

(2) 脚裏・腰・背部の柔軟性チェック

「長座位体前屈」
両足を前に出して坐り、膝を曲げないで前屈し、どれだけ両手の指先がつま先から出るか。(2回行い、良い方)。

【判定評価(5段階)】
□男性(つま先との距離)
5(大変良い)...手の平全部が出る
4(まあまあ良い)...手の平の中央
3(標準)...手の指部分まで
2(やや低い)...つま先まで5cm以内
1(非常に低い)...つま先まで5cm超

□女性
5(大変良い)...手首より10cm以上
4(まあまあ良い)...手首より5cm以上
3(標準)...手の平全部が出る
2(やや低い)...手の平の中央まで
1(非常に低い)...手の指部分まで

2. 長座位体前屈測定器を使い、伸ばした足裏を0に基準設定した測定方法と評価表(働いている人、64歳以下対象)

①靴を脱いで、素足か靴下を履いて実施します。

②長座の姿勢で両膝を伸ばし、つま先をしっかり立て足の裏全体を測定器具の足の位置にぴったり付けます。

③背筋を伸ばした状態から、両腕を伸ばし指先を測定器のスライド部分に当て、ゆっくりと反動をつけずに指先で前に押し、その移動距離を測ります。

④2回実施して良い方の記録を残します。




(出典: 中央労働災害防止協会:安全と健康2012−63−8 60-63 より引用)
※この運動機能評価表は企業等における働く人を対象とした評価基準となります。
■中央労働災害防止協会:運動機能検査値の新5段階評価(jisha.or.jp)

3. 長座位体前屈測定器を使い、伸ばした手の位置を0に基準設定した測定方法と評価表(一般、20歳以上対象)

①壁に背中・お尻をぴったりとくっつけて長座姿勢をとり、両腕の肘を伸ばして測定器に両手を置き、その位置を基準となる0cmに合わせます。

②両手を測定器から離さずにゆっくりと前屈し、測定器全体をまっすぐ前方へできるだけ遠くまで押して行きます。

③センチメートル単位で記録し、小数点以下は切り捨てます。2回実施して良い方の記録を残します。<


(出典 : 文部科学省 : 新体力テスト より引用)
※この体力評価表は高齢者を含む一般の人を対象とした評価基準となります。