「健康日本21(第三次)」の柱となる4項目の取り組みとは? 特設Webコンテンツを公開 厚労省
厚生労働省は、健康増進にかかる取り組みとして、国民健康づくりを数次にわたって展開しており、2024年度から「21世紀における第五次国民健康づくり運動(健康日本21(第三次))」を開始する。特設Webコンテンツの公開を開始した。
健康日本21(第三次)の実施期間は2024年度〜2035年度。基本的な方向として、4項目の取り組みを進めるとしている。
健康日本21(第三次)では、「全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」をビジョンとして掲げ、「誰1人取り残さない健康づくり(Inclusion)」と「より実効性をもつ取組の推進(Implementation)」に重点を置き、国民の健康づくりを社会全体で、総合的・計画的に推進するものとしている。
同コンテンツでは、健康日本21(第三次)を推進するうえでの、▼基本方針、▼日本における健康づくり運動、▼健康日本21(第二次)の評価と課題、▼健康日本21(第三次)の全体像、▼新たな視点、▼健康日本21(第三次)の基本的な方向と領域・目標の概要――動画や図解で説明している。
健康日本21(第三次)の実施期間は2024年度〜2035年度。基本的な方向として、下記の4項目の取り組みを進めるとしている。
- 健康寿命の延伸と健康格差の縮小
- 個人の行動と健康状態の改善
- 社会環境の質の向上
- ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり
健康日本21(第二次)で設定された目標について、2013年に達成状況を厚生科学審議会 地域保健健康増進栄養部会で評価したところ、2019年に日本人の健康寿命は、男性は72.68歳、女性は75.38歳となり、男性・女性ともに着実に延びつつあることが示された。
一方で、平均寿命と健康寿命の差である、日常生活に制限のある「不健康な期間」は、男性 8.73年、女性 12.06年となっており、平均寿命が延伸していることもあり、健康寿命との差は縮まっていない。
健康日本21(第二次)の最終評価では、「A 目標値に達した」は8項目、「B 現時点で目標値に達していないが、改善傾向にある」は20項目、「C 変わらない」は14項目、「D 悪化している」は4項目になっている。
悪化した項目は、▼メタボリックシンドロームの該当者および予備群の減少、▼適正体重の子供の増加、▼睡眠による休養を十分とれていない者の割合の減少、▼生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の減少(1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g、女性20g以上の者)などだ。
そこで2024年度から開始される健康日本21(第三次)では、以下の5点を検討すべき課題として挙げている。
- 自治体が健康づくり施策を効果的に進めるための方策
- データを利活用してより効果的に住民の行動変容を促すための方策
- 社会環境整備などを通じ、健康に関心が薄い者を含めた健康づくり施策をさらに進めていくための方策
- 性差や年齢なども加味した健康づくりの方策
- 新型コロナなど新興感染症の感染拡大による生活習慣の変化などをふまえた健康づくり
同コンテンツでは、健康日本21(第三次)に加えて、
▼喫煙と健康:禁煙して心身の健康を取り戻そう、
▼毎日かんたん!ロコモ予防、
▼骨粗しょう症予防:骨活のすすめ、
▼令和5年度健康増進普及月間:めざせてっぺん!地域対抗みんなでウォーキングチャレンジ、
▼女性の健康週間:大人の相談室〜女性の更年期障害って?〜、
▼おうちで+10(プラステン):超リフレッシュ体操、
▼楽しく学ぼう正しい睡眠:睡眠教室ムービー
といった、保健指導に役立てられるコンテンツも公開されている。
健康日本21(第三次)〜基礎編〜