ウォーキングなどの運動が糖尿病リスクを減少 うつ病や死亡のリスクも低下 とにかく体を動かすことが大切
2022年05月10日
なるべく車を使わず、ウォーキングなど体を動かす移動手段に切り替えることで、心臓病・脳卒中・早死のリスクを減らせることが、英国のケンブリッジ大学の研究で明らかになった。
運動は体の健康に良いだけでなく、心の健康にも良い。運動は身体的な健康だけでなく、うつ病のリスクも低下させることも明らかにしている。
週に150分の活発な運動をしている人は、糖尿病リスクが3分の1以上減少することも分かっている。
車での移動を減らす、ウォーキングを増やすと、死亡リスクが減少
車を運転する頻度を減らし、代わりにウォーキングやサイクリングをすることで、心血管疾患で死亡するリスクをほぼ3分の1も減らすことができることが、英国のケンブリッジ大学の研究で明らかになった。
なるべく車を使わず、体を活発に動かす移動手段に切り替えることで、心臓病・脳卒中・早死のリスクを減らすことができるという。
「多くの人は毎日、忙しい生活をおくっており、運動のために十分な時間をとれないでいます。よりアクティブになり、生涯アクティブであり続ける方法をみつけることが必要です」と、同大学ダイエット・アクティビティ研究センター(CEDAR)のジェナ パンター氏らは言う。
「ウォーキングなどの運動は、いつでもどこでも手軽に取り組めるので、多くの人にとってスポーツジムに通うよりも魅力的で実用的かもしれません」。
研究グループは、50万人の英国人が参加している、遺伝情報や健康情報を含む、大規模な研究用データベースである「UK Biobank」から、37〜73歳の35万8,799人のデータを解析した。
車で通勤している人に比べ、徒歩で通勤し、より活発に体を動かしている人は、心臓病や脳卒中を発症するリスクが11%低く、それらの病気による死亡リスクが30%低いことに関連していた。通勤や日常の移動などあらゆる形態でみると、この関連はさらに強くなった。
運動をするとうつ病のリスクも低下
運動は体の健康に良いだけでなく、心の健康にも良い。運動は身体的な健康だけでなく、うつ病のリスクも低下させることも、研究グループは明らかにしている。
研究グループは、合計19万1,130人を対象とした、日本で行われた研究1件を含む、15件の前向き研究を系統的レビューおよびメタ解析した。うち2万8,806人がうつ病を発症した。
週に150分(1日に30分)の活発なウォーキングに相当する運動をしている人は、うつ病のリスクが25%低かった。さらに、その半分の運動量であっても、うつ病のリスクは18%低くなった。
「運動をしている人は、うつ病のリスクが減少することが明らかになりました。ガイドラインで推奨されている量を満たさない運動であっても、メンタルヘルスに良い影響があらわれます」と、同大学身体活動疫学グループのソレン ブレイジ氏らは言う。
ウォーキングなどの運動は、脳の血液の流れを良くし、炎症と免疫反応も改善すると考えられている。運動により心肺機能が向上し、体力が増すだけでなく、ストレス解消の手段にもなり、自己評価や幸福感を高めることにもつながる。
「体かを動かさないでいることが、もっともリスクが高いことが示されました。国民のすべてが、推奨されている量の運動を習慣として行うようになると、うつ病の9分の1を予防できる可能性があります」としている。
運動は糖尿病のリスクを減らす
とにかく体を動かすことが大切
とにかく体を動かすことが大切
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Physical activity and incident type 2 diabetes mellitus: a systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies (Diabetologia 2016年10月17日)
[ Terahata ]
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