「運動」と「お酢」を組合わせると体重・高血圧・血糖が改善 保健師監修の「毎日運動プラン」を実施
2022年05月10日
愛知県半田市とミツカンは、市民を対象に「お酢15mL体験プログラム」を共同で実施し、運動とお酢15mLの摂取を組み合わせた体重・血圧プログラムに56日間参加することで、参加者の64%が体重が減少したことを発表した。
「より身近で楽しいお酢体験のために、どんな工夫が必要なのか、またどんな健康結果がでるのかを発見すべく、継続的にお酢摂取体験プログラムに取り組みます」と、同社では述べている。
保健師が監修した「毎日運動プラン」に市職員などが参加
お酢は、日本食に欠かせない調味料のひとつだが、その健康効果についても関心をもたれている。ミツカンによると、1日あたり15mL(大さじ1杯)程度のお酢を摂取すると、「内臓脂肪の減少」「高めの血圧を下げる」「食後の血糖値の上昇を緩やかにする」といった効果を期待できるという。
愛知県半田市は、同社の創業の地だが、メタボ該当者が24%、予備群が11%と、県内でもとくにメタボが多い地域だ(半田市国民健康保険調査)。
同市が「お酢を摂りながら、運動や食習慣を見直すという今回の体験プログラムが、市民の皆さまのメタボ率の改善・健康につながるのでは」と賛同したことが、今回のプログラムの実現につながった。
「お酢15mL体験プログラム」とは、市職員とミツカン社員が、お酢15mLの摂取と運動を合わせたプログラム「毎日運動プラン」を実施し、(1)体重や血圧、(2)食後血糖値にどのような効果をもたらすかを検証したもの。
「毎日運動プラン」は、市保健センターの保健師が監修した、市民に日常生活のなかで無理なく運動などの健康習慣を取り入れてもらうことを目指した運動プラン。
今回のプログラムでは参加者に、毎日の運動の意識づけのために、パーソナルヘルスレコーダー(スマートバンド)により、自らの活動量を見える化しながら、1日120kcal消費を目指して運動してもらった。
「しっかり運動」と「ちょいトレ」を実施
120kcalとは、体重1kgを減らすために必要とされる約7,000kcalを、60日間かけて消費する目安量と定義された(7,000kcal÷60日=117kcal≒120kcal)。プログラムでは、この1日120kcal消費を目指す運動を「しっかり運動」と呼んだ。
参加者に、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」を参考に作成された冊子「120kcalってどのくらい? 身体活動(運動・生活活動)編」(社会保険出版社)を配布し、記載された運動(普通歩行・ランニング・体操・水泳など)を実施してもらった。
普段運動習慣がない参加者が急激に「しっかり運動」を始めると無理が生じるおそれがあるため、ノルマとはせず、「ちょいトレ」(10分程度の筋トレやストレッチ)(東京法規出版「いまより10分多く体を動かそう!」)から始めて、徐々に運動強度を上げていくことや、冊子に掲載がない運動も認めるなど配慮がされた。
体重・高血圧・血糖が改善
その結果、56日間の「お酢15mL摂取」と「毎日運動プラン」を合わせたプログラムにより、参加者の64%の体重が減少し(平均0.6kg減少)、BMI(体格指数)が25以上の肥満の参加者の体重も有意に減少した(平均1.8kg減少)。
出典:ミツカン、2022年
さらに、血圧が高めの参加者の最高血圧と最低血圧が有意に低下した(最高血圧は7.1mmHg、最低血圧は7.6mmHg、それぞれ低下)。
解析対象となったのは、体験プログラムに最後まで参加した市民のうち、お酢摂取率85%、かつ運動を1日以上実施した人のうち、プログラム開始時に最高血圧130mmHg以上かつ最低血圧85mmHg以上の22人。
出典:ミツカン、2022年
参加者全体の81%は「1日お酢を15mL摂る生活は意外と無理なく続けることができた」と回答し、76%は「お酢は意外ととりやすい」と感想を寄せた。
参加者に「お酢を摂るシーンとして、相性が良かったもの」や「お気に入りのメニュー」などを聞いたところ、「仕事中のリフレッシュ」「お風呂上がりに」「食後」「運動後」「朝にシャキッと」「サラダのドレッシングとして」「揚げ物に」といった回答が寄せられた。
食後血糖値プログラムについては、参加した男女20人のうち、お酢なしのコントロール食で食後血糖値が140mg/dL以上を記録した男女7人を対象とした解析では、「お酢なしの食事」よりも、「お酢ありの食事+運動」により、食後血糖値の上昇が有意に抑制されることが分かった。
参加者の95%は「食後血糖値に対する理解が深まった」、75%が「今後も食後血糖値を意識した生活を継続できそうだと思う」と回答した。
出典:ミツカン、2022年
お酢の摂取と運動の組み合せの健康効果
「市民のみなさんの健康増進をはかるうえで、メタボ該当者率の改善は大きな課題のひとつになっています。今回の一連の取り組みで、お酢の摂取と運動を組み合わせることによる健康効果について貴重な知見・経験を得ることができました。市民のみなさんからの健康相談や健康指導において、この成果をしっかり生かしていきたいと考えています」と、同市では述べている。
また、「今回のお酢15ml体験プログラムを通して得られた結果をふまえ、健康に役立つお酢の情報発信と、お酢を生活のなかに気軽に取り入れていただける取り組みをよりいっそう強化していくことで、今後もお客様の"おいしさと健康"に寄与してまいります」と、同社では述べている。
ミツカン×半田市お酢15ml体験プログラム 特設サイト
半田市×ミツカンお酢 15ml 体験プログラムの実施結果について (半田市 2022年4月11日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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