【新型コロナ】宿泊や自宅で療養している人は「エコノミークラス症候群」にご注意 予防のために「運動・水分」を
「エコノミークラス症候群」は、足の静脈にできた血栓(血の塊)が、血液の流れで運ばれて、肺の血管をつまらせ、呼吸困難や胸痛などの症状を引き起こす病気。重症になると生命に危険が及ぶこともあり、肺血栓塞栓症や深部静脈血栓症とも呼ばれている。
海外では、新型コロナに感染し宿泊や自宅で療養している人が、「エコノミークラス症候群」の危険性が高まることが報告されている。
日本静脈学会と肺塞栓症研究会は、日本での発症者の多くは重症の新型コロナ感染者で、宿泊療養や自宅療養できる軽症者では少ないものの、「感染症があり、狭い場所に閉じこもることになるので、災害時と同じようにエコノミークラス症候群が増加する可能性がある」として注意を呼びかけている。
日本静脈学会は関連学会と協働し、「新型コロナウィルス感染症(COVID-19)における静脈血栓塞栓症予防の診療指針」を発刊し、主に病院などの医療機関での予防に努めてきた。
現在は、新型コロナに感染して宿泊療養や自宅療養をする人が増加しており、「害と益を考えたうえで、災害時と同じように簡便な予防策をとることが、新型コロナ感染者の安全を守ることにつながる」としている。
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血栓ができる原因のひとつは、下肢の血液の流れが滞ることだ。脚を動かさないでいると、ふくらはぎの筋肉のなかの流れる静脈の血液の流れが弱まり、血栓ができやすくなる。
リスクが高い人には、▼寝たままや座ったままでいる、▼脱水(発熱、飲水量の低下など)がある、▼がんの治療中、▼以前に静脈血栓になったことがある、▼高齢者、▼肥満がある、▼妊娠している、といったことがみられるという。
下肢の静脈に血栓ができるのを予防するために重要なことは以下の通り――。
(2)水分補給をする。カフェインを含まない麦茶や水を飲む。とくに発熱が続くときは、こまめな水分摂取を心がける。心疾患などで水分摂取量に制限のある人は、かかりつけの医師に相談する。
同学会は患者向けのパンフレットも作成し、「以前に静脈血栓の既往がある人、がん治療中など、特別にリスクの高い人では、圧の弱い弾性ストッキングなどが有用な場合があります。すでにお持ちの方はご使用ください」「脚がむくんだり、腫れたりした、急に息が苦しくなった場合は、医療スタッフに相談してください」とアドバイスしている。
日本静脈学会
肺塞栓症研究会
新型コロナウィルス感染者で宿泊療養や自宅療養をされている方および報道機関の皆様へのお願い(日本静脈学会)