運動を「コミュニケーション」に活用する企業が増加 運動・スポーツ促進に取り組む「スポーツエールカンパニー」を認定
今回の認定では、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、在宅勤務やオンライン会議などでの取組みが主流となった。
自宅でもできる運動のリーフレットや動画を配信し積極的な実施を呼びかけたり、Web会議システムなどを活用し職場と在宅勤務者とで一緒に運動を実施するなど、運動をコミュニケーションツールとして活用する取組みも多数報告された。
スポーツ庁では、従業員の健康増進のために運動・スポーツの実施に向けた積極的な取組みを行っている企業を「スポーツエールカンパニー」として認定している。
2019年度にスポーツ庁が実施した世論調査では、成人の週1回以上の運動・スポーツの実施率は53.6%という結果が出ており、日本人の半数以上が運動に取り組んでいる。 しかし、20代〜50代の「働き盛り世代」では、全体の平均よりも低くなっている。運動を実施している割合は、30代で45.6%、40代で45.3%、50代で48.7%と半数未満だった。とくに女性では若い世代で運動をしている人が少なく、20代で41.8%、30代で41.8%、40代で40.3%にとどまった。これらの世代では、「仕事や家事・育児で忙しく、運動・スポーツを実施する時間がない」ことを理由に挙げる人が多く、健康的なライフスタイルを定着させるためには、1日の大半を過ごす職場で、運動に親しむきっかけづくりを進めていくことが重要となる。
そこでスポーツ庁では、▼朝や昼休みなどに体操・ストレッチをするなどの運動機会を提供する、▼階段の利用や徒歩・自転車通勤の奨励する、▼スタンディングミーティングを実施するなど、社員の健康増進のため運動の実施に向けた積極的な取組みを行っている企業を「スポーツエールカンパニー」として認定する制度を実施している。
成人の運動・スポーツ実施率の推移
今年度は「スポーツエールカンパニー2021」として623社が認定された。2017年は217社、2018年は347社、2019年は533社が認定され、運動・スポーツを通じて従業員の健康増進に取り組む企業は年を追うごとに着実に増えている。
今回の申請では、新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、在宅勤務やオンライン会議などが主流となった。
従業員の運動不足やコミュニケーションの減少による心身の不調を予防・軽減する観点から、自宅でもできる運動のリーフレットや動画を配信して積極的な実施を呼びかける取組みや、Web会議システムなどを活用し職場と在宅勤務者とで一緒に運動・スポーツを実施するなど、スポーツをコミュニケーションツールとして活用する取組みも多数報告された。
このうち、たとえばヤフーは全社員を対象にWeb会議システム「Zoom」を活用した毎日のラジオ体操・ストレッチ講座の提供。パラアスリート選手のストレッチ講座も毎週実施している。
ソフトバンクは、社内に設置されているウェルネスセンターの企業内理療師がコンテンツを企画し、自席や自宅でできる簡単ストレッチの動画を制作。3週間〜4週間に1本のペースで社内イントラネットサイトにて公開している。
「働く人がスポーツに親しめる環境づくりを進める企業の社会的評価が向上することで、"働き盛り世代"をはじめとして、国民全体のスポーツ実施率の向上につなげていきたいと思います」と、スポーツ庁では述べている。
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令和元年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」について(スポーツ庁 2020年2月27日)