自宅で"筋活"を行いロコモ予防 筋肉量と筋力の向上を目指す「ロコモ予防運動プログラム」を始動 順天堂大
2020年07月22日
順天堂大学が、ロコモティブシンドローム予防のために、筋肉量や筋力を向上させる「筋活」ができる運動プログラムを開発し、ウェブサイト上で公開を始めた。
若い人から高齢者まで男女ともに運動不足は深刻
順天堂大学は、病気や加齢にともない運動機能が低下するロコモティブシンドローム予防のための運動プログラムを開発し、ウェブサイト上で公開するとともに、トレーニング映像などの限定コンテンツを閲覧できる会員の募集を開始した。
筋肉量や筋力を向上させるための活動である「筋活」の重要性や具体的な取り組みについて情報を発信している。
この運動プログラムを開発したのは、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科の内藤久士研究科長、町田修一教授、COIプロジェクト室の棗寿喜特任助教、沢田秀司博士研究員らの研究グループ。
高齢者に限らずあらゆる世代で体を動かす機会が減っており、ロコモ予備群が増加している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行にともなう外出自粛の影響で運動の機会が減り、運動不足の状態が長引くことで、筋力や歩行速度をはじめとする身体機能のさらなる低下が懸念されている。
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のために外出を自粛したことで、多くの人々が運動する機会を失ってしまいました。こうした事態が長期化すると、若い方から高齢者に至るまで男女問わず、今まで以上に運動不足の人が増えてしまうことが懸念されます。しかし、どのような状況にあっても、運動、すなわち筋肉を活動(筋活)させることは我々の健康にとって間違いなく必要なものです」と、町田教授は述べている。
"新しい生活様式"では新たな運動の形が求められる
「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」は、運動器障害のこと。今まで無理なく上れていた階段がきつく感じるようになったり、買い物のために歩いて店に着く時間が今まで以上にかかったり、休憩なく歩けていた距離で休むことが必要になったりすると、ロコモが始まり運動器の機能が低下しているおそれがある。
ロコモは要介護となるリスクが高まった状態で、高齢者の問題と捉えられがちだが、筋肉をはじめ運動器は運動不足でも機能が低下してしまうため、若い世代でも「筋活」を心掛け、筋肉量や筋力が低下しないよう対策することが大切だ。
「感染症対策を意識した"新しい生活様式"のもと、これまでとは異なる新たな運動の形が求められていますが、自由に動けるということの素晴らしさ、そして動くことが人間の本質であるということに思いを馳せながら、"筋活"の大切さを伝えていきたいと考えています」と、町田教授は言う。
無料登録・会員限定でトレーニング映像を公開
「順大さくら"筋活"講座」では、自宅で簡単にできる「ロコモ度チェック」のやり方を、町田教授が自ら実演して紹介している。また、同大学がこれまで取り組んできた研究や自治体などで実施している運動教室で培った運動指導の知見にもとづき、ロコモ予防に役立つ情報を公開している。
今回開発したのは、筋肉量や筋力を向上させるために自宅で実践可能な「ロコモ予防運動プログラム」。トレーニングの方法や留意点などについて解説する映像教材などを制作し、会員向けに限定に公開している。なお、登録は無料だ。
プログラムのトレーニング映像は、「いつでも・どこでも・誰とでも」取り組めることを目的にしており、スクワットをはじめ、自分の体重を利用してできるトレーニング種目を揃えた。
「自身の体力レベルや体調に合わせ、まずは週2回行うことを推奨しています。動画では、実際にトレーニングする際の動作のポイントや留意点について、テロップで表示しながらわかりやすく紹介しています」と、町田教授は述べている。
双方向のコミュニケーションを通した運動継続も支援
今後は全国どこからでも筋力やロコモ度に応じたトレーニングのアドバイスをオンライン上で受けることができる新しいサポートシステムを取り入れ、2020年9月には新たに募集した会員(90名を予定)向けに提供する予定。これにより、双方向のコミュニケーションを通して運動継続がしやすくなる環境づくりを目指すとしている。
「本ウェブサイトでは、すべての世代の方々に対して、一生涯にわたって健康でいるために今すべきことは何かを学べるコンテンツを提供していきます。ウェブサイトを訪れた方々が元気に、そして笑顔になることを願っています」としている。
順大さくら"筋活"講座順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科
順天堂大学COI拠点ウエブサイト
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