高齢期の健康運動の考え方 〜体も心も生涯現役を目指す〜
(保健指導リソースガイド 連載)

2018年08月02日
 連載女性のライフステージと、体と心の健康運動(前田 有美/ブレインラボカマクラ 代表、パーソナルフィットネストレーナー(NESTA認定)、健康運動指導士(健康・体力づくり事業財団認定))の第4回を公開しました。
 今回は、高齢期(65歳〜)の健康運動の考え方をご紹介します。

  現在、65歳以上が高齢者と定義づけられていますが、特に、この世代に属する前期高齢者(65〜74歳)の皆様の中には「まだ高齢者ではない!」とおっしゃる方が多いかもしれません。

 一方で、「私なんて、もう年だから・・・」とおっしゃい、まだ体力があり、体も自由に動くことができるのに、心のブレーキを踏んで活動や行動範囲を制限してしまっている方もいらっしゃったりします。高齢期になってくると、それまでのライフステージとは異なる体と心のアンバランスが生じるケースがあるように私は考えています。

 平成29年就労条件総合調査(厚生労働省)によると、一律定年制を設けている企業のうち、60歳定年が79.3%であると報告されています(※1)。

 生産年齢人口が減少している昨今、定年退職後の継続雇用の延長で、社会との関わりが維持されるようになりました。しかしながら、就労している方の場合、現状65歳で多くの企業で雇用が終わる傾向が強く、高齢期に差し掛かる時期に社会との関わりが変化することを示唆しています。

 高齢期女性の就業状況についてですが、65〜69歳で33.3%、70〜74歳で18.8%、75歳以上で5.5%、中年期55〜59歳で69.0%、60〜64歳で50.8%と報告されています(※2)。加齢に伴い就業率は低下していきますが、65歳を越えても働いている女性が多いと私は感じました。

 また、最近では、ご本人やパートナーが企業などを定年退職した後、夫婦や友人知人とともに新しい生活スタイルを築く方も増えてきています。住まいの場所を変え、全く異なる分野の仕事、あるいは趣味に勤しみ、気の合う仲間と集い、話し、毎日を楽しく元気に過ごしている方々を紹介するテレビ番組もあるほどです。

 地域や職域など、社会との関わりにおいて「人と話す(言葉や言葉以外で表現する)、話を聞く、考える、考えを修正する、挑戦する、および再挑戦する(行動する)」といった一連の行動は、体と心の両者がともに充実し、健康であることで円滑に行えることが可能になると考えています。さらに、1人ではなく、仲間がいることは、日常生活においても健康でいることへの励みとなり、より健康を増進させる可能性があると考えます。高齢期は、成人期や中年期に思い描いていた「暮らしぶりやありたい姿」を「自分らしく健康で元気に、長きに渡り実践する期間」でありたいですね。

 2016年における健康寿命は男性72.14歳、女性74.79歳となり、前回2013年の調査時と比較すると男女ともに延伸しています。平均寿命との差は男性8.84歳、女性12.34歳と過去の調査と比較して、短縮しています(※3)。しかしながら、女性に関しては、平均寿命と健康寿命の差が10年以上もある現状、この差をさらに縮めるべく、言い換えれば、「生涯現役」であるための対策を立てるのが理想です。


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