20歳から体重5kg増加は健康リスク 体重を増やさない10の方法
2017年07月27日
● 全粒穀物など精製されていない食品を増やす
精製されていない全粒穀物、野菜、果物、ナッツ類、ヨーグルトなど、加工度の低い食品は、精製された食品に比べゆっくりと消化・吸収され、食後の血糖値の上昇とインスリンの過剰な分泌を抑えてくれる。これらは食欲を抑える効果もある体にやさしい食品だ。
反対に、白パン、精白米、加工肉、糖分の多い甘い飲料など、加工度の高い食品をなるべく減らすことが、体重増加を防ぐのに役立つ可能性がある。
● グリセミック指数が低い食品を選ぶ
食後の血糖値の上昇の程度をあらわす「グリセミック指数」(GI)が低い食品を選んで食べている人は体重増加が少ないという報告がある。野菜や果物であっても炭水化物が多いものはGI値が高く、体重が増えやすいので注意が必要だ。
トウモロコシやジャガイモなどのイモ類は野菜の中ではGI値が高い。反対に、大豆、カリフラワー、リンゴ、ブルーベリーなどはGI値が低い。もっとも、チョコレート、ドーナッツ、ショートケーキなどのGI値の高い菓子類に比べれば、どんなものであれ野菜が勧められる。
● 朝食をしっかりとる
1日の最初の食事である朝食をしっかりととり、日中を活発に過ごすことが体の代謝を高め、カロリー消費の向上にもつながる。特に10歳代の子供で、朝食をスキップすると体重増加や肥満の危険性が増すという調査結果がある。
朝食をとることで、脳に必要なエネルギーが供給される。また、朝食をとることで、食欲を増進させる働きをもつホルモンであるグレリンが抑えられる。
● アルコールに注意
過度の飲酒は体重増加につながるという報告がある。アルコールは高カロリーであるのに加え、ビール、日本酒などの醸造酒には糖質なども含まれており、そうしたお酒をたくさん飲めば、摂取するカロリーも増えていく。やはり、適量を守ることが大切だ
アルコールは食欲を刺激し、高カロリーのおつまみを食べ過ぎてしまうおそれがある。サラダや野菜スティックといった食物繊維が多く、低カロリーのものを食べると良い。
● 「低脂肪」と表示された食品に注意
「低脂肪」と表示された加工食品が増えているが、低脂肪であっても糖質などが多く含まれ、カロリーの高い食品が少なくない。そうした食品を食べ過ぎると体重は増える。加工食品の栄養表示を良く見て、全体のカロリーをチェックする必要がある。
● 野菜ジュースは健康的?
野菜やフルーツを多く食べることに、健康的なイメージを抱く人は多いが、糖質の多い野菜ジュースやフルーツジュースによる代用は難しい。野菜やフルーツをそのまま食べると2型糖尿病の発症リスクが低下するのに対し、ジュースを飲むとかえって糖尿病リスクが上昇するという調査結果がある。
ジュースに加工される際に、野菜やフルーツの栄養素であるフィトケミカルや食物繊維が失われる。たとえ糖質を添加していない100%の野菜ジュースやフルーツジュースであっても、飲み過ぎには注意が必要だ。
● ファストフードを食べ過ぎない
ファストフードのテイクアウトやコンビニで購入した食品ばかりを食べていて、野菜や果物を十分に摂っていないと、体重が増えやすい。最近は栄養バランスを配慮したメニューも増えているが、ファストフードの多くは高カロリーで栄養価が低い。
ファストフードを多く食べている人は、そうでない人に比べ、体重が増えやすく、中性脂肪値が高く、メタボリックシンドロームになりやすいという調査結果があるので注意が必要だ。
● 食品のサイズが大きくなっている
レストランやスーパーマーケットで売られている加工食品のパッケージのサイズはこの数十年で大きくなっている。世界がん研究基金(WCRF)の調査によると、ハンバーガーのサイズは1980年以来大きくなっているという。
対策として、外食ではなるべくゆっくり食べて、満腹感を感じたら食べることをやめることが勧められる。ゆっくり食べることで満足感を得やすくなり、食べ過ぎを防ぐことができる。スーパーやコンビニなどで加工食品を買うときは、その食品が本当に必要かを考えてみよう。
● ストレスに対処する
ストレスを受けると体によくないものを食べる方向に走りがちになる。特に高カロリーの甘い食品を欲しくなることを、多くの人が経験している。過大なストレスを受ける状態が続くと、食事のエネルギーの摂取量が増える一方で、消費量は低下し、余計に太りやすくなるという悪循環に陥りやすい。
ストレス要因を常に避けるのは難しいが、肥満への対策のひとつとして、冷蔵庫や戸棚に健康的な食品を置いておくという手段がある。そうすればストレスに直面したとき、高脂肪の食品に走るかわりに、健康的なものを手に取ることができるだろう。
ウォーキングなどの運動を習慣化すると、ストレスと戦うのに役立つエンドルフィンなどのホルモンの分泌が増え、メンタル面の健康を促進するのに役立つ。エネルギーの消費も増え、体重が減りやすくなる。
● テレビの見過ぎに注意
1日でテレビの視聴時間が長いと、不活発な生活習慣が定着しやすくなる。それに加えて、多くの人はテレビを見ながら飲食をするので、エネルギーの摂取量が増えやすい。テレビの前で過ごす時間を減らし、アクティブな生活を心がけることが体重コントロールには必要だ。
● 睡眠を改善する
睡眠不足が体重増加につながりやすいことが多くの研究で確かめられている。体と心の健康を保つために、質の良い睡眠が必要だ。調査では睡眠時間が6?8時間の人で肥満が少なく、6時間未満の人で多い傾向が示された。夜眠れないなど、睡眠の問題を抱えている場合は、医師など専門家に相談してアドバイスを得よう。
Older, heavier, more at risk(ハーバード大学 2017年7月18日)Weight gain from early to middle adulthood may increase risk of major chronic diseases and mortality(ハーバード大学 2017年7月18日)
Obesity Prevention Source(ハーバード公衆衛生大学院 )
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