「座り立ち運動」ができないと要注意 運動不足で「筋内脂肪」が
2017年03月16日
運動機能低下やサルコペニアの原因となる「筋内脂肪」は、「筋肉量の低下」や「椅子座り立ち機能の衰え」と関連が深いことが、名古屋大学などの研究で明らかになった。
椅子に座ったり立ち上がるのを困難に感じてきたら、「筋内脂肪」がたまっているおそれがあるので注意が必要だ。運動を続けることで筋内脂肪がたまるのを防ぐことができる。
椅子に座ったり立ち上がるのを困難に感じてきたら、「筋内脂肪」がたまっているおそれがあるので注意が必要だ。運動を続けることで筋内脂肪がたまるのを防ぐことができる。
筋肉に蓄積する脂肪「筋内脂肪」
筋肉内に霜降り状に蓄積している脂肪である「筋内脂肪」は、サルコペニアや運動機能低下と関係しており、特に高齢男性では年齢とも関係することが、名古屋大学などの研究で明らかになった。
高齢男性の「筋内脂肪」は、(1)「筋肉の量の低下」、(2)「脚の筋力指標となる椅子座り立ち機能の衰え」、(3)「年齢」、と密接に関係しているという。
また、高齢女性の「筋内脂肪」は、(1)「筋肉の量の低下」、(2)「脚の筋力指標となる椅子座り立ち機能の衰え」、と密接に関係しており、高齢男性とは異なり年齢には影響を受けないという。
研究は、名古屋大学総合保健体育科学センターの秋間広教授、田中憲子講師らの研究チームが、早稲田大学と共同で行ったもので、医学誌「Archives of Gerontology and Geriatrics」に発表された。
筋力の減少や筋肉量の減少が「サルコペニア」の原因
筋力が低下すると「椅子の座り立ち」ができなくなる
加齢に伴う筋肉の質的変化の影響
加齢に伴い、筋肉量が減少するサルコペニアが生じることは知られているが、今回の研究では、筋肉の量的変化だけでなく、筋肉の中に脂肪が蓄積するという質的な変化が生じていることが分かった。
そして、特に男性では、加齢に伴う筋肉の質的変化の影響が大きい。
高齢者では、定期的な運動が、加齢に伴って生じる筋肉量と運動機能低下を軽減し、同時に筋内脂肪の蓄積抑制も促すと考えられるという。
「高齢者の筋肉の量的指標だけでなく、質的な指標についても十分に考慮する必要があることを意味しており、高齢者の健康増進やそれを目的とした効果的な運動処方の確立に役立つことが期待される」と、研究チームはコメントしている。
名古屋大学総合保健体育科学センターRelationship between quadriceps echo intensity and functional and morphological characteristics in older men and women(Archives of Gerontology and Geriatrics 2017年1月14日)
(Terahata)