ウォーキングで血管を若く保つ 「持久力」を鍛えて動脈硬化を抑制

2016年06月09日
 動脈硬化は加齢に伴い進行していくが、持久力がある人は動脈硬化を食い止められる可能性があるという研究を、国立健康・栄養研究所の研究チームが発表した。
ウォーキングを長時間続けると持久力が養われる
 国立健康・栄養研究所の研究チームは、どんな体力を持っている人が、病気にならず、元気でいられるのかを調べており、持久力に着目している。

 「持久力」とは、ウォーキングやランニング、サイクリング、水泳など、長時間にわたって身体を動かすことで養われる体力だ。

 同研究所健康増進研究部の丸藤祐子氏らの研究チームは、東京都と岡山県の26?69歳の健康な男女計470人を対象に、持久力がその後の動脈硬化の進み具合とどう関係していくかを調べた。

 参加者に自転車こぎ運動をしてもらい、運動中に体内へ取り込まれる酸素の量(酸素摂取量)を測定し、1分当たりの最大酸素摂取量で持久力を評価した。

 動脈硬化の度合いは、血管を脈の波が伝わる速さを示す「上腕-足首間脈波伝播速度」で判定した。

 研究チームは、血管の柔らかさや血管の詰まりなどの「早期動脈硬化病変」の評価に力を入れており、健康なうちから血管の若さを観察し、その進行状況を追跡調査した。研究開始時から2年後まで、参加者の血管がどれだけ硬くなったかを調べた。
運動をすれば持久力が向上 動脈硬化が食い止められる
 対象者を研究開始時の持久力で、(1)低い、(2)中間、(3)高いの3グループに分け、年齢や体格、血糖値、中性脂肪などの影響を考慮して比較した。

 その結果、(1)のグループはほかのグループより動脈硬化が進行していたのに対し、(2)のグループでは2年後にも変化がほとんどなく、動脈硬化が食い止められていたことが分かった。(3)のグループの進行度合いは、その中間程度だった。

 持久力の高いグループは、ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳などの運動を継続的に行っている人が多く、活動的な生活をしていた。これらの運動には持久力を高める効果がある。

 過去の研究でも、持久力は心血管疾患の発症率の低下や、死亡率の低下とも関係があることが示されている。

 研究チームは今後、筋力や瞬発力、柔軟性といった持久力以外の体力と動脈硬化との関係も明らかにし、より取り組みやすい運動でも動脈硬化を予防できるかどうかを確かめたいとしている。

国立健康・栄養研究所
(Terahata)