1日中座ったまま過ごすと糖尿病リスクが上昇 リスクを防ぐ7つの対策
2016年02月12日
1日の大半を座ったまま過ごし運動不足が続くと、糖尿病リスクが上昇することが明らかになった。「1日に少なくとも2時間以上は立ち上がって、意識して体を動かすべきです」と専門家はアドバイスしている。
座ったままの時間が長いと糖尿病リスクが22%上昇
もしもあなたが1日の大半を机の前に座ったまま過ごしているのなら、ときどき立ち上がって体を動かすべきだ。1日の大半で体を動かさないで過ごすと、2型糖尿病のリスクが上昇する。1日の終わりにスポーツジムに行って、短時間の運動をしたとしても、運動不足を解消するのは難しいという。
オランダのマーストリヒト大学の研究チームが2,497人を対象に行った調査で、運動量の少ない生活をしている人は、糖尿病リスクが上昇することが明らかになった。
参加者は太股に装着するタイプの活動量計を8日間連続して使用し、24時間の身体活動を記録し、血糖値の変動も記録した。
参加者の56%は血糖値が正常だったが、15%で耐糖能異常が認められ、29%が2型糖尿病だった。
解析した結果、1日に座ったまま過ごす時間が1時間長いと、2型糖尿病の発症リスクが22%上昇することが明らかになった。
オフィスに勤務している人は1日の75%をパソコンなどの前に座ったまま過ごし、体を動かさないことが判明した。また、糖尿病の人は血糖値が正常な人に比べ、体を動かす時間が1日に26分少なかった。
短時間に集中して運動しても、長時間座ったまま過ごした影響を取り除くことはできず、糖尿病リスクを減らす役に立たないことも判明した。
運動不足は克服しなければならない課題
「糖尿病に対策するプログラムは運動不足を解消することを戦略に含めるべきです。体を動かさないでいるのは体にとって危機的な状態なのです」と、マーストリヒト大学のジュリアン ファン デル バーグ氏は言う。
運動をすると筋肉が収縮し、細胞のブドウ糖の代謝を制御するATPという物質が活性化する。ATPを作り出すミトコンドリアは運動不足が習慣化すると減ってしまう。
「糖尿病患者にとっても、糖尿病と診断されてない予備群にとっても、運動不足は克服しなければならない課題です。運動をすることで糖尿病をコントロールしやすくなります。このことは保健指導で重要な意味を示しています」と、ファン デル バーグ氏は指摘する。
この研究は欧州糖尿病学会(EASD)が発行する医学誌「ダイアベトロジア」に発表された。
運動不足を解消するための7つの対策
New research shows each hour of sedentary time is associated with a 22 percent increased risk of developing type 2 diabetes(DIabetologia 2016年2月2日)
(Terahata)