徳島の阿波踊りをアレンジしたロコモ体操 運動機能低下の症状を緩和
2014年08月18日
徳島県民の生活習慣病予防のため考案された「阿波踊り体操」が、「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」の症状緩和に効果があることが、鴨島病院などの研究で分かった。体操を楽しみながら継続することが、筋肉の強化につながるという。
阿波踊りをアレンジた「阿波踊り体操」
阿波踊り体操は満足度が高く、継続性が高い
研究は徳島病院の整形外科・リハビリテーション科医長の高田信二郎氏が実施。阿波踊りの音源を基にした創作音楽に、5分間のリハビリ体操を組み合わせ、高齢者も取り組めるように体への負荷を軽くした「ロコモ編」を作成し、徳島市民に試してもらった。
50?91歳の女性232人が研究に参加した。188人は阿波踊り体操ロコモ編を週2回行い、44人は何も行わず、半年後にロコモの程度を比較対照した。握力、膝伸展筋力、立位バランス能力を評価するファンクショナルリーチテストなどで体力を検査した。
その結果、ロコモ編の体操をした188人のうちロコモとの判定を受けていた49人の症状が改善していた。体操しなかった人は体操した人に比べ、衣服の着脱や移動などの動作が悪化する割合が高かったという。
アンケート調査では、阿波踊り体操ロコモ編は満足度が高く、継続性が高いという前向きな回答を得られた。「健康体操を継続するためには、楽しくなければ継続できない。阿波踊り体操ロコモ編は地元伝統文化の特性を活かした結果、親しみやすく、楽しんで行える体操になっている」と、高田氏は述べている。
徳島県は1993年から2006年にかけて、14年連続して糖尿病による死亡率の「全国ワースト1位」という不名誉な記録をつくった。県は2005年に県医師会と共同で「糖尿病緊急事態宣言」を発令、2006年には健康とくしま県民会議を設立し、県民総ぐるみによる健康づくりに関する取り組みを始めた。糖尿病死亡率は2007年には全国第7位に改善したが、2008年から現在にかけてふたたび連続でワーストとなっている。
阿波踊り体操 寝たまま編 ロコモ編 認知予防編(徳島県)
(TERA)