糖尿病の人は身体能力が衰えやすい 40歳を過ぎたらロコトレで対策

骨や筋肉の量は、20?30歳代でピークを迎え、40?50歳代を過ぎると、歳をとるに伴い減少していく。骨や筋肉が弱ったまま60歳代を過ぎると、思うように動けない体になってしまうおそれがある。調査では、糖尿病患者では特にこの傾向が強いという結果になった。
「歩く、電話をかける、買い物をする、入浴する、服を着る、食事をするといった日常的な身体活動の障害について調べたところ、糖尿病の人ではそうでない人にくらべ、身体能力が低下する危険性が50?80%高いことが分かりました」と、オーストラリアのモナシュ大学のアンナ・ペーテルス氏(予防医学)は話す。
糖尿病の人はそうでない人に比べ、ウォーキングなどの移動能力では71%、電話をかける、買い物をする、物を運ぶといった身体活動では65%、食事をする、服を着る、入浴するといった日常の基本的な活動では82%、それぞれ身体能力が低下しやすいことが示された。
なぜ糖尿病患者で身体能力が低下するのか、はっきりとした原因は不明だが、「血糖値が高い状態が続くと筋肉の慢性的な炎症が引き起こされたり、筋肉が衰弱しやすくなり、障害の原因となっている可能性があります」と、ペーテルス氏は指摘している。
身体能力の低下を防ぐカギは、良好な血糖コントロールであることも示唆された。「良好な血糖コントロールによって、さまざまな糖尿病合併症を予防できます。血糖コントロールを改善することで、将来に身体能力が低下するのも抑えられる可能性があります」と、ペーテルス氏は言う。
この30年間に世界の糖尿病有病数は2倍以上に増え、2008年の糖尿病人口は3億4,700万人に拡大した。「心臓病、脳卒中、網膜症、腎臓病、全身の血管性疾患などの糖尿病合併症を予防することが、世界的に大きな課題となっていますが、今後は糖尿病患者の体力低下を防ぐ対策も必要となります」と述べている。

日本整形外科学会は、自分がロコモかどうかを知る方法「ロコチェック(ロコモーションチェック)」を公開している。ロコチェックは、以下の7項目のうち1つでも当てはまればロコモの可能性があるというものだ。
- 片脚立ちで靴下がはけない
- 家のなかでつまずいたり滑ったりする
- 階段を上るのに手すりが必要
- 15分くらい続けて歩けない
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
- 2kg程度(500mlのペットボトル4本分)の荷物を持ち帰るのが困難
- 家のやや重い物を持つ仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難
ロコトレの中心となるのは体幹筋を鍛えることのできる「片脚立ち」と「スクワット」。このうちスクワットは、"ゆっくり・じっくり行うスクワット"なので、体力に自信のない人でも効果的に行える。この運動によって、主に「大腿四頭筋」と「大殿筋」を鍛えられる。これらは体の中でも大きな筋肉であり、立つ・歩く・座るといった動作に必要な筋肉だ。
スクワット方法
- 足を肩幅より少し広く開いて立つ。つま先はかかとから30度ほど外向きに開く。
- 息を吐きながらおしりを下げ、吸いながらゆっくり元の姿勢に戻る。
- 膝は足の人差し指の方向に。かがむときは膝が足先より前に出ない(膝を90度以上曲げない)ようにする。
- 5?6回続けて行う。これを1日3セット。
ベイカーIDI心臓・糖尿病研究所
Diabetes and risk of physical disability in adults: a systematic review and meta-analysis(ランセット 2013年7月24日)