2. 高齢者の機能訓練の運動指導
転倒予防教室など、この10年間で高齢者の介護予防運動指導は全国の自治体で一気に拡大しました。低体力の方ほど運動の効果は出やすいものですが、高齢者の方が適切な運動プログラムを定期的に習慣的に行うと、その効果が劇的に現れるケースが多く見られます。ただし、指導上の安全管理には細心の注意を払って行う必要があります。
(1)高齢者の運動効果具体例
- 多くの高齢者の方が悩んでいる、膝、股関節、腰、肩などの痛みや座骨神経痛、四肢のしびれなどは、70%を超える改善率で効果がみられます。
- 体力では、3カ月間のトレーニングにより、平均で20?30%の向上がみられ、日常での生活動作が楽になり、体が軽く感じられるようになるという声が多く聞かれます。
- 表情が柔らかくなり、効果が顕著な場合、別人のように明るくなり、お顔の感じもいきいきしてきます。
(いずれも、筆者指導教室結果データ参考)
(2)可能な範囲での被指導者プロフィールの把握
- 臨床検査データ(一般的健診データ、治療・服薬の有無)
- 外科的障害、不定愁訴の有無(治療・服薬の有無)
- 運動歴と現在の運動状況
- 家族構成、同居人数
(5. 可能であれば、体力プロフィール、生活状況のアセスメント)
(3)指導上の注意事項
- 安全で、楽しい運動プログラムであることが最重要。強い負荷は一切禁忌であり、「楽」に感じられる程度の軽負荷強度の運動程度で十分に効果があります。
- 絶対に無理はしない、させないことと、自宅などでのやり過ぎにもしつこく注意する必要があります。
- 十分な休憩時間をとることと水分摂取を促すことが不可欠です。
言葉使いは、親しみのあるフランクなものであると同時に、丁寧な敬語を使って話すとともに、プラス言葉のみを用いるよう心がける必要があります。
(4)効果的な運動プログラム
- 手遊び系、認知症予防プログラム
- イスに腰かけたままでのストレッチ、ウォーキング、筋トレプログラム
- バランストレーニングプログラム
- 痛みやしびれ、不定愁訴解消のための運動プログラム
- 嚥下体操、唾液分泌促進体操
- 失禁予防・改善運動プログラム
- ゲーム的コミニケーションプログラム
- フットケア
- リラクゼーション系プログラム
- マッサージ系プログラム
(5)モチベーション
- 最期まで、自立して、楽しく生活するためにということと、体の痛みを解消できることの意識づけを反復して行う。
- ちょっとした時間を利用して、簡単な運動を行うだけで十分効果があることの意識づけが大事。
- 運動する、その先にある目標設定。